WIDELENS イノベーションを成功に導くエコシステム戦略
革新的なはずの製品やサービスがなぜ成功しないのか?
製品がサービスが成功(革新的なのに)しないのは、パートナーとなる企業や団体を含めたエコシステム(生態系)を全体的な視点で見ることの必要性を書いた本。
実際の事例を元に書いているので理解がしやすい。
特に、iPodが出る以前のmp3プレイヤーがマニアックな層以外に浸透せず、その数年後にiPodが爆発的にヒットした現象はまさに「ワイドレンズ」という視点が必要だったんだとわかる事例だった。
なぜ多くの企業の革新的な製品やサービスが成功につながらないのか? 顧客ニーズを踏まえ、素晴らしい商品を開発し、競合に圧倒的差をつけたはずなのに。その理由は、「自社のイノベーション」に集中するあまり、成功のカギとなる商品を取り巻く「生態系(イノベーション・エコシステム)」を無視していることにある。本書では、エコシステム全体を見るためのツール=「ワイドレンス」を紹介し、企業の事例を紹介しながらイノベーションと成功とのギャップを明らかにし、企業が「死角」に陥らずに成功に導いていくための方法を探っていく。
登場する事例は、電子書籍をめぐるソニーとアマゾン、日産の電気自動車、iPodといPhone、3G携帯電話など。推薦者はジム・コリンズ、ジェフリー・イメルト、ジェフリー・ムーア、クレイトン・クリステンセンなどの錚々たる面々。
本書のベースとなった『ハーバード・ビジネス・レビュー』の論文は全米のMBAプログラムで必読文献とされている。米国の気鋭の経営学者によるイノベーション論のイノベーション。
本書の構成
- 第Ⅰ部
- エコシステムの全体像を据えるワイドレンズ
- 第Ⅱ部
- エコシステム内のポジションを決める
- 第Ⅲ部
- ゲームに勝つ
イノベーションの価値を評価する3つのリスク
- 実行リスク
- 要求された時間内で、仕様を満たすイノベーションを実現できるかどうかのリスク
- タイミング良く、適度なスペックで、競争相手に先行して優れたイノベーションを市場に出すにはどうしたらよいか?
- コーイノベーション・リスク
- 自身のイノベーションの商業的成功は他のイノベーションの商業化に依存するリスク
- 自分のイノベーションが成功するため、他の誰のイノベーションが必要か?
- アダプションチェーン・リスク
- パートナーがまずイノベーションを受け入れなければ、顧客が最終提供価値を評価することすらできないリスク
- エンドユーザーが提供価値を評価する前に、他の誰がそのイノベーションを受け入れる必要があるか?
本書に出てくる事例
- 作者: ロンアドナー,Ron Adner,清水勝彦
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/02/08
- メディア: 単行本
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